ビーストマスターはシマノの電動リール最上位シリーズです。ここでは性格の異なる2000・9000・MD6000の3番手を、公式スペックで比べます。
選ぶ順番は決まっています。船宿指定のPE号数を確認し、狙う水深から必要な糸巻量を出し、そのうえで想定する仕掛けの負荷と必要な機能で絞る。番手の数字そのものは糸巻量の目安です。
ビーストマスター2000・9000・MD6000の違い早見表
| 項目 | 2000 | 9000 | MD 6000 |
|---|---|---|---|
| メーカー本体価格(税別) | 146,600円 | 182,000円 | 192,400円 |
| 自重 | 690g | 1,485g | 2,070g |
| 糸巻量PE | PE3号500m/4号400m/5号300m | PE6号1100m/8号900m/10号650m | PE6号830m/8号600m/10号450m |
| 最大ドラグ力 | 15kg | 25kg | 43kg |
| 実用巻上持久力 | 9.5kg | 20kg | 38kg |
| 最大巻上速度(無負荷) | 215m/分 | 170m/分 | 170m/分 |
| 実用巻上速度 1kg負荷 | 185m/分 | 150m/分 | 151m/分 |
| 実用巻上速度 10kg負荷 | — | 119m/分 | 115m/分 |
| 実用巻上速度 15kg負荷 | — | 96m/分 | 86m/分 |
| ベアリング数 | 12/1 | 14/0 | 20/0 |
最大巻上速度はシマノ公式の定義で「糸を一杯巻いた状態でかつ無負荷時での電動巻上げの最高速」です。実用巻上持久力は「100mの水深から水面まで巻上げることのできる負荷の最大値」とされています。糸巻量はPEの号数が番手ごとに異なるため、数字の倍率でそのまま比較することはできません。
選ぶ順番|指定PE・必要巻量・仕掛け負荷
- ① 船宿指定のPE号数を確認する:同じ釣り物でも船宿や地域で指定は変わります
- ② 必要な糸巻量を出す:狙う水深に対し、潮流での糸の出方や高切れ後の余裕も見込みます
- ③ 想定する仕掛けの負荷を確認する:オモリやビシの号数、掛かる魚の大きさから見当をつけます
- ④ 必要な機能と総予算で絞る:探見丸スクリーンの可否、ロッドや電源を含めた総額で考えます
2000はどんな番手か
自重690g、PE3号500m、最大ドラグ15kg、実用巻上持久力9.5kg。ビーストマスターの中では小型で、必要な糸巻量がPE3〜5号の範囲に収まる釣りが適合範囲です。
最大巻上速度は215m/分(無負荷)で、同シリーズの3000IIと並びます。1kg負荷時の実用巻上速度も185m/分と高い値です。モーターはブラシレス、ギアは強化ギアシステムが採用されています。
9000はどんな番手か
自重1,485g、PE8号900m、最大ドラグ25kg、実用巻上持久力20kg。PE6号なら1,100m、8号で900mという糸巻量が最大の特徴で、深い場所や太いPEが必要な釣りに対応します。
GIGA-MAX MOTOR(ブラシレスモーター)と強化ギアシステムを搭載し、探見丸の情報をリールの液晶にカラー表示する探見丸スクリーンに対応します。ただし探見丸スクリーンは探見丸親機搭載船でのみ使用可能です。
自重1,485gは2000番の2倍以上あります。重量を踏まえると、ロッドキーパーを使う釣りを中心に検討する番手です。
ビーストマスター MD6000|巻上持久力とドラグ力を重視する大型魚狙いに
MD6000は実用巻上持久力38kg、最大ドラグ力43kgを備えたモデルです。シマノ公式では「キハダ、クエ、カンパチを圧倒的な速さで獲ること」を命題に生まれたとされ、新開発のNEW GIGA-MAX MOTORでモータートルク2.5倍を達成したと案内されています。
MD6000は9000より負荷時の巻上速度が常に高いわけではありません。公式値を並べると、1kg負荷では151m/分対150m/分でほぼ同じですが、10kg負荷では115m/分対119m/分、15kg負荷では86m/分対96m/分と9000のほうが高い値です。
必要な糸巻量を確保したうえで、巻上持久力とドラグ力を重視する場合に比較したい番手と捉えるのが実態に合います。
用途はシマノ公式でキハダ、クエ、カンパチが挙げられており、MD6000を使ったキハダ釣りの紹介もあります。なおMDシリーズには3000・6000・12000があり、ここで扱っているのはMD6000の仕様です。シリーズ全体を同じ性格として説明できるものではありません。
負荷が大きい領域では9000が上回る場面がある
9000とMD6000の巻上速度を、公式の負荷別の値で並べます。
| 巻上速度 | ビーストマスター 9000 | ビーストマスター MD 6000 |
|---|---|---|
| 最大(無負荷) | 170m/分 | 170m/分 |
| 1kg負荷 | 150m/分 | 151m/分 |
| 10kg負荷 | 119m/分 | 115m/分 |
| 15kg負荷 | 96m/分 | 86m/分 |
| 実用巻上持久力 | 20kg | 38kg |
| 最大ドラグ力 | 25kg | 43kg |
MD6000が上回るのは実用巻上持久力と最大ドラグ力です。10kg・15kg負荷時の巻上速度は9000のほうが高い値になっています。速度と、負荷への対応力は別の指標として比較してください。
おすすめモデルを詳しく見る
ビーストマスター 9000
PE8号900m、最大ドラグ25kg、実用巻上持久力20kg。GIGA-MAX MOTORと強化ギアシステム、探見丸スクリーンを搭載します。在庫・納期は各販売店でご確認ください。
ビーストマスター MD 6000
PE8号600m、最大ドラグ43kg、実用巻上持久力38kg。NEW GIGA-MAX MOTORと強化ギアシステムを搭載し、公式ではキハダ・クエ・カンパチ向けと案内されています。在庫・納期は各販売店でご確認ください。
26ビーストマスター 3000II(補足)
シマノ初の2スピードシステムを搭載した番手です。公式ではスピードレンジで最大巻上速度215m/分、パワーレンジで実用巻上持久力25kgと案内されています。この2つは別のレンジでの値で、同時に発揮される性能ではありません。糸巻量はPE5号350mと9000番より小さいため、必要な巻量から確認してください。在庫・納期は各販売店でご確認ください。
ビーストマスター2000の仕様と向いている釣り
自重690g、PE3号500m/4号400m/5号300m、最大ドラグ15kg、実用巻上持久力9.5kg。必要な糸巻量がPE3〜5号の範囲に収まる釣りが目安になります。最大巻上速度215m/分(無負荷)、1kg負荷時185m/分と、同シリーズでは高い値です。
実用巻上持久力9.5kgは、シマノ公式の定義で「100mの水深から水面まで巻上げることのできる負荷の最大値」を示す数値です。仕掛けの重さやオモリの号数をそのまま当てはめて「何kgまで使える」と読み替えられる数値ではありません。実際にかかる負荷は水深・潮・魚の引きで変わるため、番手選びは船宿指定のPE号数と必要な糸巻量から進めてください。
自重690gは9000番の1,485gの半分以下なので、手持ちの時間が長い釣りでも選択肢に入ります。ただし糸巻量と最大ドラグ力は9000番より小さいため、まず船宿指定のPE号数と必要な巻量を満たすかを確認してください。
購入を検討する場合は、お近くの釣具店やシマノ取扱店にお問い合わせください。
番手以外の比較は別記事へ
22ビーストマスター9000をお持ちの方・中古で検討する方へ
シマノは2023年3月に、22ビーストマスター9000(商品コード045102)について自主回収・点検修理の案内を公表しています。バッテリーの電源が入った状態でケーブルを接続すると、液晶画面は表示されるもののモーターが巻き上げできなくなる可能性がある、という内容です。
現在販売されている製品がすべて対象という意味ではありません。公式には識別方法も掲載されており、リール背面のカウンターを下からのぞき込んで、数字の末尾に「A」または「A0」の印刷があれば対策済みとされています。中古品や旧在庫を検討する場合は、シマノ公式「22ビーストマスター9000 自主回収のお知らせ」で対策済みかどうかをご確認ください。
ビーストマスターの番手に関するよくある質問
ビーストマスターは何番を選べばいいですか?
まず船宿指定のPE号数を確認し、狙う水深から必要な糸巻量を出してください。2000はPE3号500m、9000はPE8号900m、MD6000はPE8号600mと、積める糸の量が異なります。そのうえで想定する仕掛けの負荷を実用巻上持久力(9.5kg/20kg/38kg)と突き合わせ、必要な機能と総予算で絞り込みます。
MD6000は9000より速く巻き上げられますか?
負荷によって異なります。公式値では無負荷の最大巻上速度はどちらも170m/分、1kg負荷では151m/分と150m/分でほぼ同じです。ただし10kg負荷では115m/分対119m/分、15kg負荷では86m/分対96m/分と、9000のほうが高い値になります。MD6000が上回るのは実用巻上持久力38kgと最大ドラグ力43kgです。
フォースマスターでは足りませんか?
フォースマスターにも深場や大型魚を想定した番手があります。シマノ公式ではフォースマスター9000を「キンメダイ、アコウダイなどの深海や、キハダ、泳がせなどのビッグゲームのマストアイテム」と案内しています。必要な糸巻量・巻上性能・機能と予算を比較してください。9000番同士の具体的な違いはフォースマスターとビーストマスターの違いで扱っています。
まとめ:糸巻量を満たしたうえで巻上性能と機能で選ぶ
- 選ぶ順番は指定PE → 必要な糸巻量 → 負荷別の実用巻上速度 → 必要な機能と総予算
- 2000:自重690g・PE3号500m・最大ドラグ15kg・実用巻上持久力9.5kg
- 9000:PE8号900m・最大ドラグ25kg・実用巻上持久力20kg。探見丸スクリーン対応
- MD6000:実用巻上持久力38kg・最大ドラグ43kg。公式ではキハダ・クエ・カンパチ向け
- 10kg・15kg負荷時の巻上速度は9000のほうが高い値。速度と負荷への対応力は別の指標
- 3000IIの215m/分と25kgは別レンジでの値で、同時に発揮される性能ではない
シリーズ全体の位置づけはシマノ電動リール4シリーズの違いにまとめています。













































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